サッカーニュース

バルセロナの本拠地、カンプ・ノウは超満員に膨れ上がった。試合前には先月24日に逝去したバルセロナのレジェンド、ヨハン・クライフ氏の追悼映像が流れ、選手入場時にはお馴染みの入場曲『イムノ』が流れ、スタンドには背番号14とカタルーニャ語で『ありがとう、ヨハン』の文字が浮かび上がった。 

 バルサはFWリオネル・メッシ、FWルイス・スアレス、FWネイマールの「MSNトリオ」、レアルはMFギャレス・ベイル、FWカリム・ベンゼマロナウドの「BBCトリオ」がスタメンに並んだ。 

 最初の決定機は前半10分、バルセロナに訪れた。ゴールキックからネイマールが右サイド裏を抜け出し、ペナルティエリア内でゴール中央へと折り返す。これをフリーになったスアレスが難なく決めるかと思われたが、まさかの空振り。さしものゴールハンターも重圧を感じさせる“ミス”となった。一方のレアルは、同24分にカウンターから活路を見出す。ベイル、ロナウドが立て続けにシュートを放ったがゴールネットを揺らせなかった。
 その後はMFアンドレス・イニエスタを中心とした華麗なパスワークやドリブル突破で、バルセロナが局面ごとにクオリティーの高いプレーを見せた。しかし、ジネディーヌ・ジダン監督が構築したレアルの堅い守備ブロックの前に苦戦。また球際の競り合いで主審がファウルを取る場面が目立ち、前半を0-0のスコアレスで折り返した。

 後半に入ると、鳴りを潜めていたメッシが徐々に本領を発揮する。同10分スアレスとのパス交換から技巧的なループシュートを放ち、ゴール右隅を襲うも、GKケイラー・ナバスが間一髪はじき出した。その流れの中からつかんだ右CKをメッシが蹴ると、スアレスとの連携でフリーとなったDFジェラール・ピケが頭で合わせて、バルセロナが1-0と先制に成功した。

 だが6分後、レアルが逆襲に成功する。DFマルセロがドリブルで中央に入り込んでパスを送り、右サイドに流れたMFトニ・クロースが折り返すと、相手DFに当たってフワリと浮かんだボールを、ベンゼマが難しい体勢からのオーバーヘッド気味のボレーで叩き込んで1-1のタイスコアに戻した。

 その後は国際Aマッチデーを挟んだ影響からか、バルセロナの運動量とパス精度が明らかに落ちた。レアルはそこを見逃さず、同35分には左サイドからのクロスをベイルがヘディングで合わせてゴールネットを揺らした。ベイルの位置はオンサイドで、ヘディングの競り合いも正当なものに映ったが、ノーゴールの判定が下った。
 後半38分にはセルヒオ・ラモスが2枚目の警告を受けて退場となったが、”白い巨人”の勢いはとどまらなかった。1分後、右サイドを駆け上がったベイルからのクロスを、ロナウドが胸トラップで落として相手マーカーをかわし右足を一閃。CR7にとってクラシコ通算16得点目の一撃は、値千金の決勝弾となった。 

 バルセロナはクライフ氏追悼の一戦をまさかの逆転負けで落とし、一方のレアルはジダン監督のクラシコ初采配を勝利で飾った。この結果により首位バルサと3位レアルの勝ち点差は「7」に縮まり、クラシコの前に勝利した2位アトレチコ・マドリードバルサとの差も「6」に詰まっている。残り7試合となったリーガ・エスパニョーラの優勝争いが、再び混沌となる可能性が出てきた。

引用